脂肪注入豊胸手術のデメリットについて

脂肪注入豊胸手術のデメリットについて

どのような手術にも、必ずリスクがあります。それは脂肪注入豊胸手術ももちろん例外ではありません。
今回は、脂肪注入豊胸手術のデメリットに注目してお話をしていきましょう。

脂肪注入豊胸手術とはどんな手術をいうのか

豊胸手術にはいくつかの種類があります。そのなかでも近年注目を浴びているのが、「脂肪注入豊胸手術」です。
これは比較的新しい豊胸手術であると言われており、とても特徴的なものです。

脂肪注入豊胸手術にはさまざまなやり方がありますが、その基本的な考え方は同じです。
まず、自分の体の脂肪を、「脂肪吸引手術」によって取り出します。そしてこれを、以下のいずれかの方法で処理していきます。

  • 生理食塩水で洗う
  • 特別なフィルターを使って処理をしていく(ピュアグラフト豊胸)
  • まず麻酔液を取りのぞき、脂肪を凝縮したうえで老化した細胞を取りのぞく(コンデンスリッチファット・コンデンスリッチ豊胸手術などの名前で呼ばれる)

なお、ここで挙げた3つの方法が比較的メジャーではありますが、ほかにもセリューション(「セルーション」「セリューションシステム」とも)という方法もあります。これは、脂肪の中から幹細胞をとりだして、それを利用して行う脂肪注入豊胸手術です。一部の病院が、これを取り扱っています。

どのような方法であっても、豊胸手術の前に自分の脂肪を吸引するという工程をとるのが最大の特徴です。豊胸手術には、ほかにも

  • ヒアルロン酸注入豊胸手術
  • バッグ挿入豊胸手術

がありますが、この2つは、胸に対してのみアプローチをする豊胸手術です。しかし、脂肪注入豊胸手術の場合は、まず事前に太ももや腹、腰回りやお尻などから脂肪を取りのぞく工程が含まれます。

脂肪注入豊胸手術を行った場合、しこりなどが生じない限りは、その手触りは極めて自然なものとなります。自分自身の脂肪を使って行うため、触ってみても豊胸した胸かどうかがばれる心配がほとんどありません。

また、マンモグラフィ検査なども問題になることもほとんどありません(もっとも、念のため、検査を受ける際には検査を担当する人に脂肪注入豊胸手術をしていることを告知することが強く勧められます)。加えて、エコー検査も基本的には可能です。

このようなメリットを持つ豊胸手術であるため、脂肪注入豊胸手術に関心を寄せる人は非常に多いのです。

ただ、脂肪注入豊胸手術にもデメリットがあります。
ここからは、脂肪注入豊胸手術の持つデメリットと、それに対する考え方をとりあげていきます。

デメリットその1:うつした脂肪がそのまま根付くとは限らない

脂肪注入豊胸手術の最大のデメリットが、「バストにうつした脂肪のうちの何割かは、根付くことがない」という点でしょう。

たとえば、300CCの脂肪を胸にうつしたとしても、そのうちの何割かは「バストの脂肪」とはならず、無駄になってしまうのです。

「では、どれくらいの脂肪が根付くのか」については、病院やプラン、そして医師ごとで見解が異なります。

脂肪注入豊胸手術に対して極めて否定的な意見を持っている医師の場合は「ほとんどなくなってしまう。たとえ残ったとしても、しこりとなって残るだけだ」としていますし、脂肪注入豊胸手術に対して好意的な意見を持っているクリニックの場合は「やり方を選べば80%以上残る。また、そのデータもある」としています。それ以外の医師の場合は「30%程度」としているところもあります。
一概に○%残る、とは言い切れませんが、総合すると、「20%~70%程度、あるいは30%~80%程度」としているところが多いようです。

このため、実際に脂肪注入豊胸手術を行っても思うようにバストサイズアップができなかった……ということもありえます。

もっとも、脂肪注入豊胸手術を扱っているクリニックでは、このような状況をカバーするべく、さまざまなフォロー方法を提供しています。

たとえば、「施術後1年以内に、変化がみられなかったあるいはクリニック側が規定する量のバストサイズアップが実現できなかったと判断される場合は、無料もしくは格安で脂肪注入豊胸手術をやり直す」などの保証プランです。もちろん、脂肪注入豊胸手術にはそれ相応の負担はかかりますが、このような方法をとっているところにかかれば、少なくとも、「せっかく高いお金を払ったのに、思うように結果が出なかった。お金を丸損してしまった」というような悩みを持つことはなくなります。

加えて、現在は比較的定着率が高いといわれている方法も開発されています。これを選ぶのもひとつの手です。もっともこれについても、否定的な医師の間からは、「定着率が高いとされている脂肪注入豊胸手術であっても、著しく高い定着率を期待するのは難しいのではないか」という声も出てはいます。

デメリットその2:しこりや石灰化の可能性がある

脂肪注入豊胸手術を行ううえでネックとなるのが、「しこり・石灰化が起きる可能性がある」というものでしょう。注入された脂肪がしこりになったり、死んだ細胞がカルシウムと一緒になることによって石灰化してしまったりすることがあるとされているのです。

これは非常に大きな問題です。脂肪注入豊胸手術のもっとも大きな魅力として、「自然な手触り」があるのですが、しこりや石灰化をしてしまうと自然な手触りは失われてしまいます。

また、場合によっては、切開を伴う手術が必要になることもあります。加えて、脂肪注入豊胸手術を支持しないクリニックの場合は、「乳房の切除に繋がる可能性もある」と警鐘を鳴らしています(逆に、脂肪注入豊胸手術を支持するクリニックの場合は「きちんとバストをもみほぐすことで軽減する」としています)。

ただ、この「しこり」の可能性は、脂肪注入豊胸手術以外の豊胸手術であっても起こり得る現象です。ヒアルロン酸注入によるものであってもバッグ挿入によるものであっても、しこりのできる可能性を0にすることはできません。そのため、脂肪注入豊胸手術だけの特異な症状とは言い難いのです。より正確に言うのであれば、「脂肪注入豊胸手術のデメリット」ではなく「豊胸手術のデメリット」と言うべきでしょう。

これは、避けきることのできないリスクです。そのため、病院の多くでは、「脂肪注入豊胸手術でしこりや石灰化が起きた場合は、無料で対処する」としています。これに関しては、「術後何年経っても、しこりができた場合はいつでも対処する」としているところもあります。このようなところを選ぶことで、万が一しこりが生じた場合でも対応しやすくなります。

なお、脂肪注入豊胸手術を行う際に、あまりにもたくさんの量を打ち込んでしまうとしこりができやすくなるという説もあります。このため、医師と相談してどれくらいの量をいれていくかを検討していくことをおすすめします。また、安全性が高くリスクが低い施術はどのようなものなのかも、あわせて確認しておくとよいでしょう。

脂肪注入豊胸手術のデメリットその3:費用が高い

脂肪注入豊胸手術のデメリットの3番目に挙げたいのは、「費用が比較的高めである」ということでしょう。

脂肪注入豊胸手術は、前述した通り、脂肪吸引を前提とする施術です。そのため、脂肪吸引にかかる費用もプラスされます。金額が高いだけでなく金額が読み取りにくくもあるため、バッグ挿入の豊胸術やヒアルロン酸注入の豊胸術に関しては費用を明示しているけれども脂肪注入豊胸手術の費用は「お問い合わせください」としているクリニックも多く見られます。

一概に脂肪注入豊胸手術の値段を決めることはできませんが、最低でも80万円程度の出費は覚悟しておくべきでしょう。100万円を超えることも珍しい話ではありません。
ヒアルロン酸の注入によるもの(ただし永続性はない)が1カップあたり25万円~60万円程度、バッグ挿入によるものが2~3カップあたりで50万円~80万円程度であることを考えれば、脂肪注入豊胸手術の費用が非常に高いということがわかるでしょう。

なお、バッグ挿入方法と脂肪注入豊胸手術を掛け合わせた「ハイブリッド豊胸」もありますが、この場合はもっと金額がアップすることが多いといえます。

ただ、現在は比較的安価で脂肪注入豊胸手術を行うクリニックも出てきています。また、施術前と施術後の写真を公開することを条件とした「モニター費用」を設定しているところも多いため、これを利用するのも一つの手です。

脂肪注入豊胸手術のデメリットその4:やせている人は制限がかかる場合も

脂肪注入豊胸手術は、「自分の脂肪をとる」という工程を必要とします。そのため、やせている人の場合は、施術自体が難しいこともあります。クリニックによっては明確に「やせている人にはバッグの挿入を勧める」としています。

ただ、「脂肪注入豊胸手術を受けたがる人の25%はやせている人だった。やせている人であっても、現在の脂肪吸引技術を使えば、施術は可能である」としているところもあります。もちろんこれは「やせている人でも脂肪注入豊胸手術を受けられる」であって、「やせている人の方が施術しやすい」ということにはなりません。しかし、心強い話ではあるでしょう。

このように、脂肪注入豊胸手術には数多くのデメリットがあります。

しかしクリニックごとで、そのようなデメリットに立ち向かうさまざまな対策を打ち出しているのも事実です。もちろん、「豊胸手術のなかで脂肪注入豊胸手術が一番おすすめ!」と断言できるわけではありません。しかし脂肪注入豊胸手術のデメリットとそれに対抗する方法を知っておくことは、「自分に合ったバストアップ方法」を選ぶことの参考にはなります。