ヒアルロン酸注入豊胸手術とその失敗例について

ヒアルロン酸注入豊胸手術とその失敗例について

ヒアルロン酸注入豊胸手術は、もっとも手軽な豊胸手術のうちの一つとして知られています。費用もほかの豊胸手術に比べて安く設定されていますし、ダウンタイムが短くて軽微であること、加えて可逆性を持つ手術であること、受診即日に施術可能な豊胸手術であること(病院によって多少異なります。また、それ以外の豊胸手術であっても、即日対応可能なものもあります)から、多くの人に選ばれている方法です。

ただ、このヒアルロン酸注入豊胸手術には、当然「失敗」もあります。
ここでは、実際に考えられる「失敗」と、「実際には失敗ではないが、そのように感じられてしまう可能性のある事象」についてみていきます。

実際には失敗ではない例その1~しばらくすると胸がしぼんできた

まずは、実際には失敗ではないが、そのように感じられてしまう可能性のある事象から見ていきましょう。これを知らずに、「ヒアルロン酸注入豊胸手術を受けて失敗した!」と感じる人がいる可能性もあるからです。

ヒアルロン酸注入豊胸手術が失敗したと感じられる理由の一つとして、「しばらくすると胸がしぼんできた」というものがあるでしょう。
しかしこれは、実は失敗ではなく、ヒアルロン酸注入豊胸手術の持つ特性によるものです。

豊胸手術は、大別すると以下の4つに分けられます。

  • ヒアルロン酸注入豊胸手術
  • バッグ挿入豊胸手術(食塩水やシリコンの入ったバッグを入れる方法)
  • 脂肪注入豊胸手術(自分の体からとった脂肪を注入する方法)
  • ハイブリッド豊胸手術(バッグ挿入豊胸手術と脂肪注入豊胸手術をかけあわせたもの)
    • このうち、ヒアルロン酸注入豊胸手術のみ永続的な効果を持たないと医師は口を揃えます。

      バッグは一度入れてしまえばその効果は半永久的と解釈されるのが普通です。脂肪注入によるものは、注入した脂肪が定着(定着率は医師によってその見解が異なりますが、30パーセント~80パーセントとされています)すれば基本的にはそのまま残り続けます。脂肪注入の場合は、もちろん「脂肪」であるためいわゆる激ヤセなどをすれば変わることもありますが、基本的にはその効果はずっと続きます(ただし、慎重な表記をするのであれば、「長持ちする」ということになるでしょう)。

      しかしヒアルロン酸注入豊胸手術の場合はそうではありません。

      ヒアルロン酸注入豊胸手術は、体の内部にも存在する「ヒアルロン酸」を胸に注入していく方法です。これは安全性が高い成分として知られていますが、やがて体に吸収されていきます。持続期間は個人差があるため一概にはいえませんが、3年以上もつことはきわめてまれです。
      このため、「ヒアルロン酸注入豊胸手術を受けたのに、しばらくしたら胸が縮んできた」というのは、ヒアルロン酸注入豊胸手術の失敗ではなく、ヒアルロン酸注入豊胸手術の特性によるものなのです。

      この現象は、どれほど優れた医師であってもとめることはできません。半永久的な効果を得たいと考えるのであれば、バッグ挿入豊胸手術などを選ぶべきでしょう。また、「70パーセント以上しぼんだ場合は、1年以内ならば、再度無料でヒアルロン酸注入豊胸手術を施す」という保証を付けている病院などもありますから、これを使うのも一つの手です。

      実際には失敗ではない例その2~ダウンタイム

      豊胸手術に限らず、あらゆる美容整形には程度の差こそあれ、「ダウンタイム」「副作用」が生じます。

      ダウンタイムとは、美容業界で使われる場合は、「該当する美容整形手術を受けてから、それが回復するまでの時間」を指します。どこからどこまでをダウンタイムとするかは病院や個人によって多少異なりますが、一般的に、「美容整形手術を受けたときに生じる、むくみや腫れ、また痛みがある程度解消されて、日常生活を滞りなく受けられるまでの時間」をいうことが多いようです。

      ヒアルロン酸注入豊胸手術は、もっとも手軽な豊胸手術です。来院当日に施術を受けられることが多いものですし、また施術時間も10分~30分程度と非常に短いのが特徴です。バッグ挿入豊胸手術のように切開を伴うこともありませんし、脂肪注入のようにその前に脂肪吸引手術を受けなければならないということもありません。ヒアルロン酸注入豊胸手術は注射を使ってヒアルロン酸を胸に注入していくものであるため、とても簡単ですし痛みも少ないものです。そのため、しばしばヒアルロン酸注入豊胸手術は、「プチ整形」に分類されます。

      ただ、このような手軽さゆえ、「ヒアルロン酸注入豊胸手術ならばダウンタイムや副作用はまったく生じない」と思ってしまう人もいるかもしれません。たしかにヒアルロン酸注入豊胸手術はほかの豊胸手術に比べて、ダウンタイムが短く、また副作用も軽微なことが多いとされています。しかし、ヒアルロン酸注入豊胸手術ではダウンタイムが全く起こらないというものではないのです。

      ヒアルロン酸注入豊胸手術を受けた人によっては、かゆみや炎症が出ることがあります。また、注射を打ったところがやや痛む可能性はあります。また、ヒアルロン酸注入豊胸手術を行った部分が一時的に硬くなっているように感じられることもあります。

      もっともこれらは、通常は1週間程度でなじんでいきます。このため、長く引きずる可能性は低いとされています。ただそれでも、うつぶせで寝ることは1か月程度は控えるべきですし、激しい運動も1週間程度はやめておくべきでしょう。また、この時期にバストマッサージを行うことは危険だ、とする医師もいます。

      もちろん、「明らかに異常と思われる痛みが発生している」「日常生活が困難になるほどに炎症がひどい」などのケースの場合は、すぐに病院に足を運ぶ必要があります。

      実際のヒアルロン酸注入豊胸手術の失敗例~しこり

      上記であげた2つは、「実際にはそれほど心配することのないもの」です。しかし、お手軽なヒアルロン酸注入豊胸手術にも、実際に対応すべき「失敗」はあります。

      そのうちの一つが、「しこり」でしょう。

      ヒアルロン酸は体の内部にあるものではありますが、「異物」であることも確かです。胸にも元々存在はしますが、その量はそれほど多くはありません。そこに大量のヒアルロン酸を入れて胸を大きくするわけですから、体の防疫反応が反応して、ヒアルロン酸を攻撃することがあります。このときに脂肪細胞もまた一緒に攻撃を受けることがあるのですが、その攻撃に負けて死んでしまった細胞は石灰化することがあります。この石灰化したものが「しこり」として認識されることがあります。

      また、ヒアルロン酸が胸に残るときに、周りの組織からヒアルロン酸の水分が吸収されてしまうことがあります。この結果、ヒアルロン酸の柔らかさが失われ、硬くなってしまう場合もあります。この「硬くなった部分」もまた、「しこり」として感じられることもあります。

      この「しこり」を「乳がんによるものの可能性もゼロではない」と診断されたことにより、乳房をすべて摘出したという事例も、昔アメリカで起きています。その後、「このしこりはヒアルロン酸注入豊胸手術によるものであり、乳がんではなかった」ということが判明したのです。

      もっとも現在では、乳がんの検査技術が発達しており、このような事件の起きるリスクは極めて低くなっています。加えて、「豊胸手術を行っているが、乳がん検査を行える設備も備えている。豊胸手術をした人の乳がん検査に慣れているし、ノウハウもある」とするクリニックも存在します。

      また「もしもしこりができてしまったときは、そのしこりを融解させる酵素を使って対応する」「ほかの病院でしたヒアルロン酸注入豊胸手術によってしこりができた場合、それに対応する」としている病院もあります。しこりができることそのものを完全に防止することはできませんが、これらの対応をしてくれるところを選べば、安心感はアップするでしょう。

      ヒアルロン酸注入豊胸手術の失敗から身を守るために

      ヒアルロン酸注入豊胸手術の失敗を、完全に「防ぐこと」はできません。ほかの手術同様、ヒアルロン酸注入豊胸手術にも、やはりリスクはつきまといます。熟練した医師、質の高いヒアルロン酸を使うことでリスクの軽減はできますが、個人差はあるからです。

      そのため、どのようにしたら、リスクが軽減できるか、失敗が起きたときによりよく対応できるかを考えていく方が建設的です。

      まず、信頼のおける医師と病院を選ぶことが大切です。値段だけでなく、医師の対応やカウンセリング内容などを見て、自分に合うかどうかを確かめましょう。
      (なお、特に「顔」に注入するヒアルロン酸については一部で個人輸入が行われていますが、これは法に抵触する行為であるうえ、非常に危険なので絶対に行ってはいけません)。

      加えて、強い痛みやかゆみが発生したときには、すぐに病院に電話をするようにしてください。現在、多くの美容クリニックが「24時間いつでも、異常があったらすぐに対応します」という姿勢を敷いています。これらを利用することで状況の改善を行うことができますし、不安も解消します。

      美容整形クリニックは、「美容整形」に注目しがちですが、「病院」でもあります。人間の体を熟知した医師が、あなたの体の状態をよく見て施術し、そしてアフターケアをしてくれるはずです。もちろんヒアルロン酸注入豊胸手術に対して慎重になること、知識を集めることはとても重要ですが、「万が一のときにも対応はしてもらえる(逆をいえば、対応してくれない病院は選ぶべきではないともいえます)」と考えておきましょう。