バストアップサプリメントは本当に安全? その副作用を考える

バストアップサプリメントは本当に安全? その副作用を考える

世の中には、たくさんの「バストアップサプリメント」と呼ばれるものが溢れています。
ただ、バストアップサプリメントとされるものにはさまざまな副作用があることを知っておかなければなりません。

それについて見ていきましょう。

「バストアップサプリメント」という言葉について

タイトルでは「バストアップサプリメント」という表現を使いましたが、実は日本では「バストアップサプリメント」と呼ばれるものは存在しません。
日本で販売されているサプリメントは薬機法(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略称。かつては薬事法と呼ばれていた。平成25年に変更されたが、今でも「薬事法」という表記はよく見かけられる)の制限を受けます。

そして、そのなかで、サプリメントの効能として「バストアップ」を謳うことは禁じられています。また、「バスト」という特定の部位に対して働きかけるような表記をすることも認められていません。そのため、アフィリエイトサイトなどでは「バストアップサプリメント」という表現が見られますが、商品の公式ホームページではこれらの表現は避けられています。

このように考えれば、「バストアップサプリメント」というものはそもそも存在しないということがわかるでしょう。
もちろん個人差はありますし、あらゆる成分は「絶対に効果がない」とする説得力のある研究結果がない限り「だれが飲んでも、絶対にいかなる効果も出ない」と断言することはできません。ただ、「これを飲めばだれでも確実にバストアップができるサプリメント」などは存在しないと考えるべきでしょう。

ただ、ここでは、この点も踏まえて、警告の意味も込めて「バストアップサプリメントと呼ばれるもの」という表現を使っていきたいと思います。

バストアップサプリメントと呼ばれるものの副作用について

巷で「バストアップサプリメント」と呼ばれるもののなかには、実は非常に大きな副作用を示す可能性のあるものもあります。胸を大きくすることができない可能性が高いというだけでなく、健康被害をもたらす可能性があるものも販売されているのです。

これらの情報は、「バストのサイズを大きくしたい」と考えて調べている限りは、なかなか目に入ることがないものです。ただ、この「副作用」は非常に大きく、国も問題視しています。

そのなかでもよく取り上げられ、また扱いに注意が必要な「プエラリア・ミリフィカ」について詳しく取り上げていき、解説していきます。

プエラリア・ミリフィカについて

バストアップサプリメントを謳う商品のうちの大多数に含まれているものとして、「プエラリア・ミリフィカ」があります。これは単純に「プエラリア」と表記されることもあります。「『プエラリア・ミリフィカ』は植物そのものを指し、『プエラリア』という表現はプエラリア・ミリフィカを使ったサプリメントを指す言葉だ」と分けて表記する人もいますが、どちらも同じように使われることもあります。このあたりに関しては、明確な基準はないと考えるべきでしょう。
なおここでは、植物そのもののことも、プエラリア・ミリフィカを使ったサプリメントのことも「プエラリア・ミリフィカ(を使ったサプリ)」というように記していきます。

プエラリア・ミリフィカは、タイを原産国とする植物です。また、ミャンマーなどでも見られます。イモに似た外見をしていますが、プエラリア・ミリフィカの方はマメ科のクズ属に分類されています。ちなみに色はいくつかありますが、日本でよく取り上げられるのは白色のものであり、「白ガウクルア」と呼ばれています。特に記載されない限り、「プエラリア・ミリフィカ=白ガウクルア」と考えてよいでしょう。

タイでは、昔から「若返りのための植物」として珍重されてきたという歴史があります。伝統的に使われてきたものであり、現地では比較的メジャーな植物だといえます。

さて、このプエラリア・ミリフィカが、バストアップ業界に燦然と君臨し、また多くの人に注目されていることには、きちんとした理由があります。
プエラリア・ミリフィカには、バストアップに関わる女性ホルモンである「エストロゲン」と似た働きがあると言われているからです。

植物性エストロゲンと呼ばれるものであり、エストロゲン活性効果を持つ成分が17種類も含まれています。大豆に含まれていることでも有名な「イソフラボン」もプエラリア・ミリフィカは持っていますし、それ以外にも「クメストラン類」や「クロメン類」と呼ばれるものも、それぞれ4種類と3種類持っています。そのなかでも、クロメン類に分類される「ミロエストロール」「デオキシミロエストロール」はエストロゲン活性が高いとされています。

プエラリア・ミリフィカを使った研究で、「更年期障害が改善した」というものがあります。これは、「十分な情報はまだない」とされてはいるものの、女性ホルモンの分泌量の低下によって起こる更年期障害に対してプエラリア・ミリフィカが有用に働くとするデータではあります。そのため、同じように、女性ホルモンが関係するバストアップに対しても、プエラリア・ミリフィカが効果的に働くのではないかと考えられるようになったのです。
その効果や活性はすばらしく、イソフラボンよりも1000倍~10000倍ほどの力があるといわれています。

現在販売されているバストアップサプリメントと呼ばれる商品のほとんどに、このプエラリア・ミリフィカが配合されています。下記で紹介する「プエラリア・ミリフィカの副作用」を避けるためにプエラリア・ミリフィカが含まれていない商品を打ち出している会社もありますが、単純に「バストアップサプリメント」で調べるとプエラリア・ミリフィカが入っているものがよく見つかるでしょう。
ただ、このプエラリア・ミリフィカは、さまざまな懸念材料を含む植物でもあるのです。

国も警鐘を鳴らしている~プエラリア・ミリフィカの健康被害

プエラリア・ミリフィカの問題を述べる場合は、「副作用そのもの」と「プエラリア・ミリフィカの管理状況」の2つに分けなければなりません。

まずは「副作用そのもの」から見ていきましょう。

プエラリア・ミリフィカはエストロゲン様の働きを示す植物ですが、さまざまな健康被害も報告されています。
2012年から2017年の間で209件の危害が報告されています。ちなみに、2015年が97件、2016年が94件と突出して多くなっています。

その大半が「消化器にダメージを負った」というものであり、79件報告されています。たとえば、下痢や腹部の痛み、嘔吐などです。続いて多いのが皮ふ障害であり、これが59件報告されています。こちらは、じんましんや発疹などです。
特に気になるのは、「生理不順や不正出血」です。これも33件報告されています。また、乳房が異常を起こしたという例も3件報告があがっています。
世代としては、20歳代がもっとも多く33パーセントを占めています。しかし10歳代・30歳代・40歳代も20パーセント程度報告されているため、「若い世代に比較的多く見られるものの、この世代にとりわけ多いとは言い難い」というところがあります。

もちろん、万人にとって100パーセント安全なサプリメントは存在しません。たとえば、ほかの人にとっては大変優れた栄養補給食品となる牛乳も、牛乳アレルギーの人にとっては健康を害するものとなり得ます。ただそれでも、プエラリア・ミリフィカの健康被害に対して国が警鐘を鳴らしていることはたしかです。

美しくなりたいと願い手を出したサプリメントでこのようなことになってしまうと、非常につらいものがありますよね。

プエラリア・ミリフィカの摂取限度量について

もうひとつの問題点として、「プエラリア・ミリフィカの管理状況」が挙げられます。

日本においてプエラリア・ミリフィカは、「これ以上飲んではいけない」という明確な基準が定めにくいという話がまずあります。そもそも業者側が、製品にどれくらいのミロエストロールやデオキシミロエストロールが含まれているかを判断できていない状況もあり、含有量を正確に知ることができていないのです。

また、タイにおいては、「サプリメントなどからとる場合は、100ミリグラムを上限とする」という指針が示されていますが、これがそのまま日本のサプリメントに適用されているかというとそうではありません。
この値を踏まえるかたちで99ミリグラム(以下)に抑えているサプリメントもありますが、明確な基準がないためか、この倍の量ほどものプエラリア・ミリフィカを配合した商品も販売されています。

厚生労働省「プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」について」
Link

独立行政法人国民生活センター「美容を目的とした「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品-若い女性に危害が多発!安易な摂取は控えましょう-」
Link

消費者庁「プエラリア・ミリフィカを原材料に含む「健康食品」の取扱いについて」
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サプリメントと付き合うために

サプリメントは、「薬」ではありません。そのため、厳密に1日の摂取量が定められているものではありません。また、プエラリア・ミリフィカの健康被害報告は多数見られるものの、購入者のすべてに副作用が起こるわけではありません。このため、「プエラリア・ミリフィカを使ったサプリメントが、すべて害悪である」と言い切ることは、「プエラリア・ミリフィカを使ったサプリメントは絶対に安全だ」と言い切ることと同じくらい乱暴なことです。

ただ、サプリメントを飲もうとするのであれば、業者側が推奨している目安を守って飲むようにしてください。またこれはプエラリア・ミリフィカを配合したサプリメントについてだけではありませんが、体に異常が生じた場合はただちに服用を中止し、病院の診察を受けてください。