豊胸手術の失敗とその対処方法について

豊胸手術の失敗とその対処方法について

「豊胸手術」は美しくなるために行うものです。しかし、すべての豊胸手術が成功するわけではありません。医師の技術が高かったり品質のよい脂肪やヒアルロン酸、バッグを挿入したりすることによりリスクを下げることはできますが、それでも、「絶対に失敗しない」と断言することはだれにもできないのです。

豊胸手術は、たしかに胸のコンプレックスを解消するための手段として非常に有効なものです。
しかし、これを受けさえすればそれで大丈夫というものではありません。また、「失敗」とまではいえなくても、後悔することになる場合もあります。

ここではあえて、「豊胸手術の失敗」に着目してお話をしていきましょう。

豊胸手術の失敗~しこりができる

豊胸手術の失敗として一番よく話題に上るのが、「しこり」「手触りの不自然さ」なのではないでしょうか。

豊胸手術は、大きく分けて、「ヒアルロン酸を注入する方法」「バッグを挿入する方法」「脂肪を注入する方法」の3つに分けられますが、そのいずれであっても、しこりができる可能性はあります。異物を挿入することになるバッグ挿入豊胸手術はもとより、本来は体に存在するヒアルロン酸注入による豊胸手術も、さらには自分自身の脂肪を注入していく脂肪注入豊胸手術の場合でも、しこり(あるいはそれに似た症状)が起きる可能性は0ではないのです。

これらは、種類にもよりますが、豊胸手術後に適切なバストマッサージを行うことでリスクを軽減することができる場合もあります。また、良質な材料(ここでは、ヒアルロン酸やバッグ、あるいはきちんと処理した脂肪)を使うことで、しこりが起きる可能性を抑えることもできるとされています。多くの量を一度に無理に入れてしまうとリスクが高くなるとする医師もいるため、適切な量を挿入していくことも求められます(ただこれに関しては意見に違いがみられ、ヒアルロン酸の注入であっても一度に300CC異常入れても大丈夫だと考える医師もいます)。

しこりが起きた場合、多くのクリニックでは、無料でその除去手術を行ってくれます。注射などで溶かすこともありますが、切開を伴う手術となることもあります。なお、特に脂肪注入豊胸手術に否定的な立場の医師の場合、「乳腺を切除する必要が出てくる」ともしていますが、このような意見を支持している医師は多くは見られません。

豊胸手術の失敗~思うようにバストサイズアップができなかった

「かたちを整えたいから行う」という人もいるかと思われますが、多くの人は「バストサイズアップ」を目的とすることでしょう。バッグ挿入による豊胸手術ならば、大幅なバストアップが可能です。物理的に胸にバッグを入れて底上げをはかるわけですから、3カップ以上ものバストアップを行うこともできるのです。

しかしながら、ヒアルロン酸注入によるものや、脂肪注入によるものにはバストアップの限度があると考えた方がよいでしょう。
ヒアルロン酸注入による場合であっても3カップまでのバストアップが可能とする意見もありますが、基本的には1~1.5カップ程度のアップにとどめた方がリスクは少ないとされています。

脂肪注入の場合は、どれほど優れた手段をとったとしても「移動させた脂肪がすべて根付くわけではない」ということは把握しておくべきです。「どれくらい根付くか」については医師によって見解が分かれます。「ほぼ0%、脂肪注入豊胸手術に効果はない」とする説もあれば、「80%以上」とする説もありますが、いずれの場合であっても、100%の定着率になることはありません。

また、ヒアルロン酸注入によるものは、時間の経過とともに徐々にバストが小さくなっていきます。なぜなら、ヒアルロン酸は体のなかに徐々に吸収されていくからです。
脂肪注入によるものは、完全に定着してしまえばその効果は半永久的だと考える説が一般的です。しかしながら、「80%の生着率であっても、半年ほどの間に徐々に吸収されるため、最終的に残るのは20%~30%程度」とする見方もあります。「脂肪注入による定着率」を調べると、「20%から70%程度、あるいは30%から80%程度」という、かなり開きのある数字が出てきます。これは、このような「生着率」と「その後の持続期間」の両方を計算に入れたものだと考えるのが妥当でしょう。

「大幅なバストサイズアップを、未来に渡り維持したい」と考えるのであれば、選ぶべきはバッグ挿入による豊胸手術といえます。

豊胸手術の失敗~持続期間

これは厳密にいえば、「失敗」にはあたらないものです。しかしながら、しばしば「失敗」とよく結びつけて扱われるため、ここでも同様にとりあげています。

豊胸手術の持続期間については、さまざまな意見があります。ただし、「ヒアルロン酸による豊胸手術は、いつか必ず元に戻る」としているのはどの医師、どのクリニックでも共通しています。前述したように、ヒアルロン酸はいつか必ず体の中に吸収されることになります。このため、その効果はあくまで一時的なものです。

もっとも、現在のヒアルロン酸は非常に進化しています。このため、「ヒアルロン酸の持続期間」については、医師によってそれぞれ考え方に違いがみられます。「早ければ半年程度」とする意見がある一方、「10年近く」とする説もあります。ただこれも、「何をもって『持続している』と判断するか」によって変わってきます。

脂肪注入の持続期間については、定着さえしてしまえばその効果は長く続くと考えるのが一般的です。もっとも、「定着率が30%~80%」と聞いて、「それならば何年経っても80%も残るのだ」と考えた人にとっては、「そんな状態は維持できなかった」という不満点が残るかもしれません。また、脂肪注入による豊胸手術の場合、体型の変化の影響を受けることもあります。

バッグ挿入による豊胸手術は、基本的には、バッグに破損や劣化がない限り、その効果は永続的に続きます。しかしバッグの安全性や耐久度に疑問を持つ人からは、「10年程度での交換を勧める」「現在は技術も進歩しているが、20年ほどしかもたないと思われる」などの意見も出されています。時間の経過とともに硬くなってしまうと考えられているのです。

この「持続期間」は、特に「何を以て『持続している』と判断するか」の影響を色濃くうけます。たとえば、ヒアルロン酸の場合は「ある一時期を超えたら一度にヒアルロン酸が亡くなってしまう」というわけではなく、徐々に吸収されていきます。そのため、以前よりも1センチでも大きな状態ならば「持続している」とするのか、手術直後の状態と少しでも異なったら「持続していない」と判断するのかなどによって、「持続期間」の見方は変わってきます。

ただ、大切なのは、数字の話ではありません。医師の考える「持続期間」と、豊胸手術を受けようとしている患者の考える「持続期間」が一致しているかどうかを検討することが重要です。そのため、「このサイズを○年にわたって維持したい」という明確な考えがあるのであれば、それを医師に告げたうえで、自分にあう豊胸手術を提案してもらうことようにした方がよいでしょう。

豊胸手術の失敗~かたちのくずれなど

「豊胸手術の失敗」と聞いたときに、一番「絵」としてイメージしやすいのは「かたちが崩れたバスト」なのではないでしょうか。バストのかたちが大きくくずれて、片方の胸が垂れ下がったり、明らかに不自然なかたちになったりしている写真を見たことのある人もいるでしょう。

このようなことが起きる原因はいくつかあります。

まず1つめに、患者自身に問題がある場合。
豊胸手術を受けた際は、その後の日常生活などについて医師からの指導があります。これを守らず、著しく無茶なことをした場合などは、バストの変形に繋がる可能性があります。

次に、医師の技術が未熟だった場合。
現在は医師の技術も、また豊胸手術に使われる道具も非常に進化しています。ただ、豊胸手術は医師の技量に委ねられるところが大きいというのは事実です。そのため、信頼のおける病院で豊胸手術を受けることが絶対条件となってきます。もちろん、経験の浅い医師がすべて技術面において未熟だと言い切ることはできませんが、お願いする医師の経歴などをチェックするとよいでしょう。

なお現在は海外で豊胸手術を受けることもできます。日本で受けるよりも安い費用で受けられることも多いため、これを希望する人もいるかもしれません。ただ、何かトラブルがあったときにすぐに病院に駆け込むことがとても難しくなるので、この方法を使う場合は相当慎重に考えなければなりません。

また、どちらが悪いとは言い切れない場合であっても、トラブルが起きる可能性は考えられます。そのため、「トラブルが起きたときの対処方法」についても考えておくことが重要です。基本的には豊胸手術を受けたクリニックにすぐに飛び込み対処してもらう方法がよいでしょう。現在は、24時間いつでもトラブルの電話を受け付けている、という病院もあります。

ちなみに、
「引越しをしたので、もう元の病院にかかれない」
「豊胸手術をしてくれた病院が閉院してしまった」
「当時は知識のない段階で受けたので、危険性のあるバッグ(PIP社など)が使われているかもしれない。元の病院がどこだったかも忘れてしまった」
などの不安は、「他院修正」をメニューに入れている病院で診察してもらうとよいでしょう。

豊胸手術は、コンプレックスを解消し、より美しく、より自信をもって生きていけるようにするための手段のうちの一つです。ただ、さまざまなリスクや、失敗の可能性をはらむ方法であることも事実です。豊胸手術を受けると決めたのであれば、これらを十分に理解したうえで臨まなければなりません。