脂肪注入豊胸手術の失敗について

脂肪注入豊胸手術の失敗について

「脂肪注入豊胸手術」は、自分の脂肪を使って行う豊胸手術です。自分の脂肪を使って行うため、手触りが自然であり、マンモグラフィを受けるときの制限がありません。非常に優れた豊胸手術ではありますが、失敗のリスクもあります。

ここでは、「脂肪注入豊胸手術とは何か」「実際には失敗ではないのに失敗だと思われてしまう事例」「本当の意味での失敗・トラブル」「そしてその解決策」についてとりあげていきます。

脂肪注入豊胸手術とは何か

脂肪注入豊胸手術とは、豊胸手術のうちの一種です。自分の体からとった脂肪を胸に入れていきバストアップをはかるものであり、現在多くのクリニックで取り扱われています。自然な手触りになるのが特徴ですが、同時に「定着率」の問題も出てくる豊胸手術でもあります。自分の体から脂肪をとる必要もあるため、とるべき脂肪がないやせ型の人の場合は、施術ができない可能性もあります。

また、余談ではありますが、「脂肪注入豊胸手術以外の豊胸手術は危険だ」として脂肪注入豊胸手術のみを支持する医師もいれば、「脂肪注入豊胸手術は非常に危険だからやめておくべきだ」として脂肪注入豊胸手術を全否定する医師もいます。このあたりはどちらが正しい・正しくないといえるものではなく、医師それぞれのスタンスによる違いといえるでしょう。

豊胸手術にはほかにも「ヒアルロン酸注入豊胸手術」「バッグ挿入による豊胸手術」、そして「ハイブリッド豊胸手術」がありますが、それぞれの豊胸手術と脂肪注入豊胸手術との違いに焦点をあてていきましょう。

ヒアルロン酸注入豊胸手術と脂肪注入豊胸手術との違い

ヒアルロン酸注入豊胸手術は、胸の中にヒアルロン酸を注射してバストアップしていくものです。ヒアルロン酸も体内に存在するものであるため、安全性が高いと考えられています。

脂肪注入豊胸手術の場合、移動させた脂肪がどれくらい定着するかを読み切れない部分があります。そのため、100%自分の思い通りのサイズにできるかどうかは不安定な部分があります。
しかし、ヒアルロン酸注入による豊胸手術は1CC(施術は10CC単位としているクリニックも多く見られます)から調整することができるため、自分の理想のバストラインを作りやすくなります。
また、初期費用もヒアルロン酸注入によるものの方が安く済みます。加えて、ヒアルロン酸注入による豊胸手術は施術も早く終わり、即効性もあります。また、ダウンタイムが短いのも特徴です。

ただし、ヒアルロン酸注入による豊胸手術には、永続性はありません。打ち込まれたヒアルロン酸は、期間の差こそあれ、必ず体に吸収されていきます。しかし、脂肪注入豊胸手術ならば、急激に脂肪が落ちたなどのようなケース以外では、一度定着した脂肪は長く残り続けることになります。

バッグ挿入による豊胸手術と脂肪注入豊胸手術の違い

バッグ挿入による豊胸手術は、生理食塩水やシリコンを入れたバッグを胸部に入れ込むことで胸のサイズをアップさせる方法をいいます。ワキのあたりを切開して入れていくのが一般的です。かつては事故なども報告されていましたが、現在では技術の進歩とともにリスクも減ってきました。

バッグ挿入による豊胸手術は、もっとも効率よく、加えて確実に胸のサイズをアップさせる方法といえるでしょう。胸の中にバッグを入れて「底上げ」をはかるわけですから、1度の手術で3カップ程度もアップさせられるのです。脂肪注入豊胸手術でも3カップアップが可能とされている手術形式はありますが、やはりそこでも「定着率」の問題は出てきます。
ちなみに、バッグ挿入方法も、その効果は永続的に続くと言われることが多いものです。

ただ、バッグの場合は「自分の脂肪」ではなく、「異物」を入れるわけです。そのため、手触りの面を考えると脂肪注入豊胸手術に劣ります。人によっては、「なんだか手触りが違うな」と感じることもありません。また、現在はバッグ挿入による豊胸手術を受けていてもマンモグラフィを受けられる設備もありますが、リスク回避を重んじるクリニックでは、バッグの破損を避けるためにマンモグラフィ検査を断るケースもあります。

ハイブリッド豊胸手術と脂肪注入豊胸手術の違い

ハイブリッド豊胸手術とは、バッグを挿入したうえで脂肪注入豊胸手術を行う方法をいいます。当然、バッグ挿入による豊胸手術のメリットと脂肪注入豊胸手術のメリットを両方得ることができるわけで、大幅なバストアップと自然な手触りを両立させられます。

ただ、ほかの方法に比べて値段が高くなります。

脂肪注入豊胸手術、「すべてが定着しないこと」は失敗ではない

上記を踏まえたうえで脂肪注入豊胸手術を見ると、「何が本当の意味での『失敗』であり、何が違うのか」がわかりやすくなります。

脂肪注入豊胸手術は、「自分の体から取り除いた(脂肪吸引というかたちがとられます)脂肪を使って、自分の胸を豊かにする豊胸手術」です。自分の脂肪を使うのだから、当然、胸に移動させた脂肪はそのままそっくり根付くように感じられるでしょう。

しかしながら、実際には移動させた脂肪がそのまま100%残ることはありません。根付くことのできなかった脂肪は分解されてしまうのです。

脂肪注入豊胸手術の定着率は、手法によって左右するともいわれています。ただ、医師やクリニックによって見解は大きく異なりますし、また個人差もあります。脂肪注入豊胸手術を否定する医師のなかには「実際にはほとんど残らない」とする人もいますし、脂肪注入豊胸手術を支持する医師のなかには「方法を選べば80%以上残る」としている人もいます。総合して考えると、「30%~80%(あるいは20%~70%)」という数字が多いように思われます。

どのように優れた脂肪注入豊胸手術であっても、「移した脂肪が100%そのまま残る」とは断言できないのが現状です。逆を言えば、「注入した脂肪のすべてが根付かなかったからといって、その脂肪注入豊胸手術が失敗だったとは言えない」ということです。

ただ、そうはいっても、せっかく脂肪注入豊胸手術を受けたのにまったく効果がなかったとなれば、納得のできる人はいないでしょう。
このため、これを回避するためには、
・定着率の高いといわれている方法を選ぶ(コンデンスリッチなど)
・バストサイズアップがうまくいかなかった場合は、保証制度を利用して再度手術を受けられるところを選ぶ
の2つの方法を検討すべきです。

脂肪注入豊胸手術にはさまざまな種類があります。定着率の高さやリスクの低さを推しだすものもあれば、手軽な値段で受けられる脂肪注入豊胸手術もあります。
なお、一般的に、定着率が高くてリスクが低いと言われている脂肪注入豊胸手術は、そうではない脂肪注入豊胸手術に比べて値段が高く設定されています。

脂肪注入豊胸手術の定着率を考える場合は、特に2番目の方法は有用です。「バストサイズが○カップ以上にならなかった場合は、1年以内なら無料(あるいは格安)で施術をし直す」という保証制度を提供している病院を選べば、たとえうまく根付かなかったとしてもフォローは可能だからです。ただその場合でも、手術方法によって保証内容が異なることもありますから、先にチェックしておくことをおすすめします。

脂肪注入豊胸手術の失敗~しこりと石灰化

定着率が関わってくる問題とは異なり、「しこり・石灰化」は非常に大きなトラブルです。しこりは「オイルシスト」とも表記されますが、移植した脂肪組織がこりかたまってしまう状態をいいます。せっかく脂肪を注入しても、それが丸くこりかたまってしまうため、手で触った状態でも知覚できるようになってしまいます。

また、死んだ脂肪細胞がカルシウムと一体化することによって石灰化を起こすこともあります。これもまた、しこりと同じように、「悪い手触り」を生み出します。レントゲンを受ける際に、正しい診断結果が出しにくくなるという問題や、がんの検査が面倒になるという問題も抱えています。

これの解決策はいくつかあります。医師の立場や考え方によって提案されるものも違いますが、主に以下の4つがあげられます。

  1. バストマッサージ
  2. 注射器でしこりのなかの液を抜く
  3. 切開して取り除く
  4. 乳腺の切除

脂肪注入豊胸手術を熱心に支持するクリニックでは1の方法が、脂肪注入豊胸手術に対して徹底的に否定的な立場をとるクリニックでは4の方法がとりあげられることがあります。ただ、いずれの場合にせよ、しこりや石灰化が起こっていることが自分の手でわかるようになっているのであれば、一度クリニックに足を運んだり相談をしたりするべきでしょう。自分が脂肪注入豊胸手術を受けたクリニックであれば、「しこりや石灰化が起きた場合は無料で解決策をとる」としているところも多いものです。また、そうでなくても、専門家の目で見てもらい、確認してもらい、正しい対策を教えてもらえるというのは安心に繋がります。

脂肪注入豊胸手術だけではなくほかの豊胸手術であっても、「100%失敗のない手術」はありません。そのため、正しい知識をつけて、もしトラブルが起きたときにはどうするべきかを考えておく姿勢が求められます。