豊胸手術を受けた胸がLEDライトで光るというのは本当か?その「なぜ」を知る

豊胸手術を受けた胸がLEDライトで光るというのは本当か?その「なぜ」を知る

2018年の9月10日に放映されたTBS系列の番組で、「豊胸手術を受けた胸にLEDライトを当てたところ、胸が光って赤く浮かび上がった」という旨の内容が報道されました。これを見て不安に思った人、またこの話題を単純に文字列だけで見ただけの人などは、不安に思うかもしれません。

そもそも、「LEDライトをあてて胸が光る」というのは本当のことなのでしょうか。
また、本当だとしたら、それはいったいなぜなのでしょうか。
これについて見ていきましょう。

「LEDライトをあてたら胸が光る」という話について

豊胸手術をしたバストにLEDライトをあてたら、胸が光った」という内容の番組は、2018年の9月10日に、TBS系列の番組で報道されました。(※ここでは「豊胸手術」とはせず、より正確に言うために、「シリコンバッグ挿入豊胸手術」とします)

これは、シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けた人の胸に、LEDライトの懐中電灯を押し付けると、暗がりのなかでくっきりと胸が光って浮かび上がったというものです。人の顔がわからないほどの真っ暗な暗闇のなかで、バストだけが赤く浮かび上がる様は非常に衝撃的でインパクトのある絵面であり、多くの人に衝撃を与えたものでした。

「豊胸している人はLEDをあてればチェックすることができる」「笑ってしまう」などのような意見がSNS上などで飛び交い、話題にもなったので知っている人も多いかもしれません。
これによって、シリコンバッグ挿入豊胸手術を希望している人が心配をして、美容クリニックに問い合わせが寄せられるという問題も起きました。

実際にLEDライトをあてたら胸は光るのか?

これについて、東京美容外科の医師がYouTube(ユーチューブ、以降カタカナ表記)やTwitter(ツイッター、以降カタカナ表記)で見解を示しています。

ユーチューブでの説明によると、シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けた胸にLEDをあてたところ、実際に光ることはありえるということです。さまざまなシリコンの種類がありますが、LEDライトをあてたところ、輪郭がはっきりと浮かび上がることがわかっています。ペットボトルに入った水にLEDライトを当てた時に水が激しく光るのと同じ(これによって大きなランタン代わりになる)です。

光が乱反射を起こすことで明るく光るために、このような現象が起こるのです。現状として、「LEDライトを密着させた時であっても、まったく光らないシリコンバッグ」というのは存在しません。さまざまな種類のシリコンバッグがありますが、そのどれであっても、同様のリスクはありえます。

「豊胸手術した胸はLEDライトで光る」主治医の見解は?【東京美容外科公式】
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東京美容外科ツイッター(公式) 2018年9月12日の投稿
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光るのはあくまで非常に限定的な条件下でのみの話

このように聞くと、
「シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けるのが怖い」
「赤く光るなんて、何か異常があるのではないか」
「携帯電話のライトでも浮かび上がりそう」
「夜の海水浴やプール遊びには怖くていけなくなる」
「胸が小さいのがコンプレックスだったけれど、ばれる可能性があるのなら受けるのをためらう」
と感じる人もいるでしょう。特に、「光によって浮かび上がってばれる」ということであれば、マンモグラフィ検査などのときに検査をしてくれる人に自ら告知する場合ともばれ方の性質が異なります。

しかしながら、これはあくまで非常に限定的な条件下でのみの話だということを忘れてはいけません。

上でも少し触れていますが、このように、「シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けた胸にLEDライトをあてて光る」というのは、「LEDライトを肌にしっかりと密着させ、胸に添わせて押し当てた場合」のケースのみです。
これに関する解説の動画を作った美容外科でも、「日常のライトや光で、シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けたバストが浮かび上がることはありません」として、実験つきで紹介しています。

至近距離でLEDライトを使って胸を照らしたところで、胸が浮かび上がることはありません。ほかの部分と同じくただ照らされるだけで、赤く光ったり、また特別光が強くなったりすることもありません。あくまで、胸に、しっかりと接する距離でぐっと押し当てた時にのみ発光するにすぎないのです。このような条件が日常生活下で起こることはないため、まったく気にしなくてよいと断言できます。また、このようにはっきりと胸が発光するほどにまで近い距離にLEDライトを近づけることは、火傷などを招く恐れもあり、危険です。

では、スマホなどの光の場合はどうでしょうか。LEDライトは除外するとしても、一部の人が悪ふざけで、手近な光であるスマホをバストに押し当ててこようとすることはあるかもしれません。でも、安心してください。スマホの光によるものでは、シリコンバッグ挿入豊胸手術をしたバストであっても、発光はしません。あくまで、ほかの体の部分と同じように、「スマホを当てられた時に自然に浮かび上がるライン」に留まり、特別なあかりを発することは一切ありません。

さまざまな疑問点を読み解く~なぜ通常の光だと浮かび上がらないのか? 赤く光るのはなぜ

また、「実際にどれくらい光るかどうかは、その人の体型などによる」と医師は指摘しています。

動画を見ていると、「シリコンバッグに直接光を押し当てた時と、実際にシリコンバッグ挿入豊胸手術を受けた人の胸に当てた時の光り方が異なること」に気づくでしょう。
これは、実際にシリコンバッグ挿入豊胸手術を行うときは、シリコンバッグの上に脂肪などが多くのることになるからです。脂肪によってLEDライトの光がさえぎられるため、光方が緩やかになるのです。このため、日常生活のなか(ブラックライトの照明も含める)で、一般的なシリコンバッグ挿入豊胸手術を施したことがわかるリスクはまったくと言ってよいほどありません。

極端にもともとのバストが小さい人などは、シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けたときに、シリコンバッグ部分が皮ふの浅い部分に入ることになります。そのため、もともと皮下脂肪がある程度あった人に比べれば、やや光は強くなります。ただそれであったとしても、「電気を消して、少しLEDライトで照らしただけで浮かび上がる」というようなことはないので安心してください。

なお、シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けた胸にLEDライトを当てた時は、赤く発光します。シリコンバッグに直接LEDライトを当てた時の光り方は乳白色であること、水を入れたペットボトルにLEDライトを当てた時の光り方が透明~乳白色であることから、これに違和感を覚える人もいるでしょう。なかには、「胸に埋め込むと、なんらかの異常や問題がおきて赤く光るのだ」と感じる人もいるかもしれません。

しかしこれはまったくの見当違いです。私たちの体には血液が流れているため、LEDライトがこれを照らし、赤色に発光しているにすぎないのです。このような現象はシリコンバッグ挿入豊胸手術を受けた人だけでなく、まったく手術を受けていない人にも見られます。ほかの部分(手など)に当てた場合も、同様に赤く光ります。このため、まったく怖がる必要はありません。

シリコンバッグ挿入豊胸手術を迷う人のために

胸のかたちや大きさの美醜は、人から言われて決めるものではありません。また、人の胸のかたちに対して、あれやこれやと口をはさんでくる人はその時点で間違っています。良識のある人であるならば、たとえこのようなことを知識として知っていたとしても、それを笑い話として口にすることは慎みますし、実験しようなどとは決して思わないはずです。
ただ、自分自身が自分自身の胸のかたちが気に入らず、シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けたいと考える人もいるでしょう。

豊胸手術に対して前向きに受け入れ、公表することをまったく恐れない姿勢をとる人もいます。もちろんこれはこれですばらしいことです。

一方で、「シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けたことを知られたくない」と考える人がいるのも事実です。特にシリコンバッグ挿入豊胸手術の場合、単純に「今よりもさらに美しく、豊かな胸を手に入れたい」と考える人だけでなく、乳がんで摘出などをした乳房を再建するために保険を使って行う人もいます。
このような人にとっては、「シリコンバッグ挿入豊胸手術を受けたこと」「乳がんで胸を失い、それを再建したこと」は非常にデリケートな問題であり、絶対にばれたくないと考えるのはごく自然なことです。

そのように悩む人にとって、「LEDライトで照らされるとバストが光る」という報道は、その趣旨やスタンスがどうあれ、不安を掻き立てるものであったと思われます。

しかし実際には、一般的な生活のなかで、シリコンバッグ挿入豊胸手術をしたバストが浮かび上がることはありません。もちろん「胸のコンプレックス」を解消する手段はシリコンバッグ挿入豊胸手術だけではありませんが、これだけを理由にシリコンバッグ挿入豊胸手術を選択肢の一つから外す必要もないのです。