胸は大きくなったり小さくなったりする? 1か月の間でも変化するバストの状態

胸は大きくなったり小さくなったりする? 1か月の間でも変化するバストの状態

「バストサイズ」に関心を持つ女性の数は多いものです。できるだけ胸を大きくしたいと考える人もいれば、もう少し胸を小さくしたいと考える人もいるでしょう。このような悩みにアプローチするサービスや情報は多く出回っていますし、またそれらのなかには極めて有用なものが多いのも事実です。

このような「基本的なサイズ」に関心を持ち、コンプレックスを解消するサービスや情報を集めることは非常に重要です。ただ、「基本的なサイズは同じであっても、タイミングによって胸は大きくなったり小さくなったりもする」ということも、知識として頭に入れておきたいものです。

今回は、「1か月の間で胸が大きくなったり小さくなったりする理由」とともに、その原理や、それと関係している女性の体の変化についてお話ししていきます。

まずは基本を知っておこう~女性ホルモンの2つの種類とその役割

「胸のサイズ」を語るうえで欠かすことができないキーワードとして、「女性ホルモン」があります。これは、1か月の間でも胸が大きくなったり小さくなったりすることに深くかかわっているので、まずはこれについて解説していきましょう。

女性ホルモンは、大きく「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つに分けられます。このなかでも、バストアップ関係の記事でよく目にするのは「エストロゲン」の方でしょう。

エストロゲンは、女の子の体を女性らしく変化させていくために欠かすことのできないホルモンです。「卵胞ホルモン」とも呼ばれます。エストロゲンの分泌はバストサイズをアップさせることに深く関わっています。エストロゲンは女性を美しく見せる働きもあり、肌を美しく整えたり髪の毛にツヤを与えたりする効果もあります。このエストロゲンは、排卵の直前(生理が終わってから5日目のあたり)でもっともよく分泌されます。

エストロゲンには3種類の種類があります。「エストラジオール」「エストロン」「エストリオール」の3種類です。エストラジオールは特に思春期によく分泌されるものであり、これの働きによって胸は大きく、丸みを帯びていきます。エストロンは閉経後に働くものであり、エストリポールは妊娠を契機として働くものです。それぞれに効果が違うのですが、バストアップのときに取り上げられることが多いのは「エストラジオール」と「エストリオール」の2つだと推測されます。

さて、もう1つのホルモンである「プロゲステロン」についても取り上げていきましょう。これは「黄体ホルモン」とも呼ばれるものであり、エストロゲンと対になって語られるべき女性ホルモンだといえます。

プロゲステロンは、妊娠をさせやすくするために働くホルモンです。

エストロゲンもまた妊娠をサポートするホルモンではありますが、プロゲステロンの場合、子宮内膜の厚みを増やしたり、子宮内膜を柔らかい状態にしたりするという働きがあります。これによって受精卵が子宮に落ち着きやすくなるのです。また、受精卵を育てるためにも役立ってくれるホルモンだといえます。
このような働きを持つプロゲステロンは、エストロゲンとは異なり、排卵日の後あたりから優位になっていきます。そして月経が始まる(=妊娠しなかった)タイミングの前後あたりからプロゲステロンの血中濃度が下がっていきます。

プロゲステロンが優位になると、体温が上がってしまったり、だるさが感じられたり、頭痛が起きやすくなったりします。そして、このプロゲステロンがもたらす体の変化の1つに、「体の中に水を貯めこみやすくなる」というものがあります。プロゲステロンが優位になった体は、胸や子宮、他の部位にも水分を多く含まれる状態になります。

この働きこそが、「1か月の間で、胸が小さくなったり大きくなったりすることの理由」なのです。プロゲステロンの作用によって胸は水を貯めこみますから、これによってバストサイズが変わる可能性があるのです。水分量だけ、バストサイズアップされるということです。

「過半数以上の人が生理前には胸が張ると感じている」とするデータもありますが、これもプロゲステロンの影響によるところが大きいといえます。

この「バストサイズの変化」は、女性にとっては少し厄介なものに思われる可能性が高いものです。

バストがなんとなく熱を持ったり痛みをもったりすることもありますから、「バストサイズが大きくなった」と単純に喜ぶことはできません。またその効果は当然永続的ではなく、月経が終わるころには元のサイズに戻ってしまいます。

上述したように、プロゲステロンには「熱っぽさ」「だるさ」「頭痛」をもたらしやすいという特徴もあります。このようなことから、プロゲステロンはエストロゲンと比べて「ありがたくないもの」と考えられることがとても多いのです。しかし実際には、プロゲステロンは受精を成功させたり妊娠を継続させたりするために必要不可欠なものなのです。

ワコール「プラパン 聞きたくても聞けない下着のホンネ Q63生理のとき、バストが大きくなる?」
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エストロゲンだけ、プロゲステロンだけを優位にできる? した場合はどうなる?

女性ホルモンの働きを知ると、「一時的に胸を大きくするだけで生理が終わったらまた元のサイズに戻してしまうプロゲステロンよりも、エストロゲンを優位にさせたい」「妊娠~出産を考えている時期ではないから、頭痛や腹痛、けだるさをもたらすプロゲステロンから解放されたい」と考える人もいるかもしれません。

しかしこれは非常に危険な考え方です。

エストロゲンは「胸を大きくすることに関わってくる女性ホルモン」、プロゲステロンは「一時的に胸を大きくすることはできるし妊娠の成功や継続に影響を与えることはわかっているが、頭痛などを与えてくる厄介な女性ホルモン」ではあります。しかし「エストロゲンを優位にすればプロゲステロンによってもたらされる不快な症状はなくなる」と考えてはいけません。

エストロゲンは、分泌されればされるほど良いというものではありません。エストラジオールやエストロンの分泌量が多すぎると乳がんや子宮がんの発生・悪化の原因となります(エストリオールのみ、これらのリスクを逆に軽減すると考えられています)。

また、私たちの体は、エストロゲンとプロゲステロンのバランスによって成り立っています。エストロゲンの分泌量だけが多すぎると、生理不順などの副作用がもたらされることもあるのです。
もちろん、「エストロゲンの分泌量が少なすぎて日常生活に支障をきたしている」というレベルならば医師に相談して調整していく必要が出てきます。しかしこのような状況ではないのに、バストアップを目的としてエストロゲンの分泌量だけを増やそうと考えるのは極めて危険です。

エストロゲンと似た働きを示すとして注目され、数多くのサプリントに配合されている「プエラリア・ミリフィカ」と呼ばれるものがあります。これが「副作用を示すものである」として厚生労働省が警鐘を鳴らしているのは、このプエラリア・ミリフィカが、エストロゲンとプロゲステロンのホルモンバランスを崩し、健康被害をもたらす可能性があるからです。

エストロゲンもプロゲステロンも、どちらかだけが優位になればよいと断言できるものではありません。バランスを整えることが何よりも重要なのです。

ほかの要因でも、胸が大きくなったり小さくなったりすることはある

ここまでは、「女性ホルモンの働きとバランスによって1か月の間でも胸が大きくなったり小さくなったりすること」について解説してきました。しかしそれ以外にも、胸が大きくなったり小さくなったりすることはありえます。

まず、妊娠。
妊娠をする前は、エストロゲンとプロゲステロンはお互いに調和しながら存在しています。エストロゲンの分泌量が多くなったときはプロゲステロンの分泌量が落ち着き、プロゲステロンの分泌量が少なくなった時はエストロゲンの分泌量が落ち着く、といった具合です(ただし、月経の始まる少し前~排卵日の少し前などは、両方とも分泌量は少なくなります)。

しかし妊娠すると、エストロゲンの分泌量もプロゲステロンの分泌量も両方とも大きく増加します。母乳を作り出して与える器官であるバストも、この2つの分泌量の増加を受けて大きく育ちます。妊娠前と妊娠後では2カップほどバストサイズが変わると言われています。
ただし、このときに起こったバストサイズアップは、やがて落ち着いていきます。妊娠~出産~授乳~授乳の終わりを迎えると、女性ホルモンを大量に分泌する必要もなくなるのです。そのため、胸は元の大きさに戻っていきます。

加えて、体型の変化によっても胸のサイズは変わります。体重が増えれば胸にも脂肪がつきやすくなりますし、逆に過激なダイエットをすれば胸はやせてしまいます。

だれもが変化を感じ取ることになる思春期が終わっても、私たちの体は日々変わっていっています。同じ人間であっても、1か月のなかで胸が大きくなったり小さくなったりするのです。このため、「胸の基本サイズは同じだが、タイミングによってブラジャーがきつく感じられる」などの問題もよく起こります。妊娠をするとより顕著に女性ホルモンの働きを感じることができるようになるでしょう。加えて、女性ホルモンの影響によるものではなく、単純な体重の増減によっても胸は大きくなったり小さくなったりします。

このような変化は、ある意味では自然なことです。一喜一憂をせず、それぞれのタイミング・それぞれの時期に合った下着選びをすることをおすすめします。「サイズが変わったようなので測ってほしい」「こういったことに悩んでいるので、下着を選んでほしい」と下着売り場のスタッフや下着通販サイトのカスタマーセンターなどに尋ねてみるのもよいでしょう。